Ch20 の国と人民に誠に感服する

最も苦しい時にこそ、その人もしくはその国家の真価が表われるのであれば、日本こそ世界の良きお手本であることは間違いない。

日本は昨日強烈な天災に見舞われた。人類の築いた各種現代建築は、ちっぽけで何とも脆いものであることがさらけ出されたが、それと同時に日本国民は強くたくましく、秩序を守るということも明らかにされた。画面を通してそれは世界中に伝えられ、類まれな模範を世界の人に示すこととなった。

私は一日中テレビの前に座り込み、インターネット経由で今日本の大学で交換留学中の下の息子と連絡をとり、関連情報に目を配っていた。地獄か煉獄を彷彿とさせる被災地の中で見られたのは、このような激変に直面して、公衆の面前で人目をはばからず号泣して泣き喚く日本の被災民ではなく、むしろ悲しみをじっと懸命にこらえ、涙を呑み、ハンカチで真っ赤になった目を静かに拭っている姿、さらには買い物や飲料水を求めて、秩序正しく整然と長い長い列をじっと並んで待っている姿だった。

これは大災害が起きた地域としては何とも不思議な光景であり、全くもって感服させられる情景だった。まだ記憶にあるロサンゼルスの大地震、またはハリケーン・カトリーナ、ハイチの大地震の時に目にしたのは、災害に乗じて店に強盗に入ったり、狂ったように物資を奪い合う光景だ。秩序のかけらもなく、人間の弱さである私利私欲が無残にもさらけ出されてしまった。このように高度な自律精神があり、秩序を良く守る国民と、第二次世界大戦後に戦勝国側が描いた奇襲や虐殺の日本人の姿には大きな差があり、むしろ筆者の私が1980年に日本に留学してから今に至るまでの36年間で接してきた日本人と非常に共通している。それは自己抑制があり、高い自律性、忍耐力、誠実さ、惻隠の情、哀れみの心を持ち、卑怯、不義を軽蔑し、公義を第一とする国民だ。

午後2時46分に発生した地震で、公共の交通機関はすぐさま運行を取りやめ、用意周到に事を運ぶ日本人の気風か、線路や区間を一つ一つ安全確認していた。その間、家に一刻も早く帰りたくて居ても立ってもいられない民衆たちは、駅でじっと電車の運行が回復するのを待つしかなかった。日が暮れて夜になり、しばらくは回復のめどが立たないということが分かり、民衆は駅で一晩過ごさなければならなくなった。主な駅では直ちに『災害時非常用食糧袋』と『毛布』を必要な人に配り始めた。日本人はもちろん自然に列をつくり、秩序整然として、誠に規律正しかった。

『災害時非常用食糧袋』には、ペットボトルの水が一本と、安心してすぐに食べられる白いご飯がふたパック、缶に入った乾パン一つと、おかずかおつまみが一袋入っている。『毛布』だけでは地面の温もりを保つのは難しいため、主要な駅での休憩室ではすでに、厚さ大体4センチの軽くて便利な組み立て式のたたみが敷かれており、地面をつたってくる冷気を遮断するのに一役買い、座ったり横になれるくらいの暖かさを保っていた。921台湾大地震の時の被災民が、冷え切ったコンクリートの上で寝ていたのとは大違いである。

もちろん駅や大学などそれ自身が、こういった重要物資や、避難できる木板の体育館を緊急にまた無償で提供できるというのは、日頃の備えがあってこそのことである。本当にありとあらゆるところで、この国の人民が払う税金は、確かに払うだけの意義があると思わされてしまう。スーパーの中には被災民に無償で物資を提供するところもあったというくらいで、災害の機に乗じて金儲けをしようなどということは全く見られず、この国家の国民性はまさに誇るべきものである。

水道管が破裂すると、水は汚染されている可能性がある。日本政府は放送で、しばらくは水道水を直接飲まないように呼びかけた。そしてそれと同時に緊急時用給水車が被災地にすでに到着していた。延々と続く列も、やはり秩序正しく整然としていた。

自分で容器を用意してきた者もいれば、家がすでに全壊してしまい空手で並ぶしかない被災民、色々な人がいた。そのような容器を持っていない人には、当局により「ジップ式透明手提げビニール袋」が準備されていた。普段は薄い一枚のビニール袋で場所はとらないが、水を注いだ後は、一袋およそ3リットルも入る大きな袋となり、二日分の飲料水としては心配がない。

給水車は事前に適当な口径の蛇口をセットしており、貴重な資源である水が飛び散って無駄にならないように配慮されていた。我々が普段見かけるような、給水車の約8センチ口径の蛇口から、たった6センチ口径の容器に無理やり水を流し込み、必然的に水があたりに飛び散って多くが浪費されてしまうなどいうことは全くなかった。

さらには平常時には各地の地底深くに隠されている『地下貯水槽』も稼動し、地域の緊急給水場所となった。もちろんすでに緊急用の給水システムが架設されており、元は単純な一本の水道管だが、その水道管の延長に、さまざまな口径の蛇口が配置され、大きな水圧の蛇口を使い慣れていないことによる水の散乱・浪費を防ぐよう考慮されていた。

普段はいつでも発信してつながる携帯電話だが、大災害が発生して使用量が一気に増えると、混み合ってつながらないという事態を招いてしまう。しかしそのような時は、お互いに『災害用伝言サービス』に電話をして、メッセージを残すなり、メールを残すなりして自分の『居場所と安否』を伝えれば大丈夫であるということを日本人はすでに知っていた。伝言を残した後、家族や友人は、自分の連絡したい相手の携帯番号をプッシュするだけで、相手の伝言内容と伝言時間をはっきりと聴きとることができ、お互いにずっと何回も連絡しあうことで招かれる広範囲な電話不通という事態は避けられる。NHKも沿道にいる民衆たちに、二次災害の可能性もあるため、極力道に出ないようにと、そしてどうしても歩いて帰らなければならない民衆たちに対しては、道沿いの住民たちが必要な飲料水やトイレを開放するなどの援助を差し伸べるようにと絶えず放送し、呼びかけていた。

今はちょうど午後2時46分である。全世界で5番目の大きさとなったマグニチュード8.8の地震が起きてからちょうど24時間である。東京から北に向かう上越、長野新幹線があと2時間で運行を開始すると発表された。日本人の綿密さ、慎重さ、そして効率の良さには再度感心してしまう。阪神大震災の時のように、日本は『試練から這い上がるほど強くなる』ということを筆者は固く信じている。日本人は依然として立ち上がり、あっという間にさらに効果的な対応システムを発明することだろう。私の日本人の同僚の両親は千葉県の30階建てマンションに住んでいるが、マグニチュード6の強烈な揺れにも『震動式』構造により、そのマンションは依然として揺るぎなくそびえ立っている。

近年地球上の大災害は続いており、どの国でも大災害が起こる可能性がある。
今まさに、いたわりの心や協力する姿勢をもって、被災者への援助に意欲的に取り組むと同時に、まだ時間があるうちに、日本を我々の鑑とし、高い規律をもって自己を制し、事実にのっとり真理を検証し、将来の苦難のために十分な備えをしていくべきではないだろうか。それを行なえば、たとえ将来最悪の状況下に置かれたとしても、台湾人も日本の被災者と同様、高度な文明を備えた強くたくましい、自律の模範であるということを世界に示していくことができるのだ!

自由時報【自由廣場】刊載:我佩服這個國家與人民

2011-03-03

◎ 吳其哲

筆者整日守在電視機前,也透過網路與正在日本交換留學中的小兒聯繫。宛如煉獄的災區,看不到嚎啕大哭的災民;倒是看得到強忍悲傷,拿著手帕,靜靜擦拭著泛紅的眼眶,與各地秩序井然等待購物、領取用水的安靜的長長隊伍。是重災區中不可思議的景象,也是令人敬佩無比的景象。

大地震後大眾運輸隨即停駛,在路線尚未逐一逐段確認安全之前,歸心似箭的民眾在車站靜候恢復通車。入夜,確定暫時仍無法恢復,車站隨即開始發放「災害緊急糧食包」與「毛毯」給需要的人。排隊隊伍秩序井然。「災害緊急糧食包」內有寶特瓶水一瓶、兩包可立即食用的安心米飯、罐裝麵包一罐與甜鹹食物一包。「毛毯」不足以隔絕地面傳來的寒氣,主要車站的休息區,早就鋪好厚度約四公分的輕便型榻榻米,而非如九二一地震災民的冰冷水泥地面。

水管破裂,官方透過廣播,一邊呼籲暫停直接飲用自來水的同時,另一邊,緊急供水車已經到達災區。漫長的等待隊伍,也是秩序井然。對於無水桶者,官方準備了「夾鍊式手提透明塑膠袋」。平時薄薄一片,不佔地方,但灌水後,大大一袋約三公升,兩天內之飲水無虞。供水車也早已安裝好適當口徑的水龍頭,確保寶貴的水資源,不會有濺落的浪費。另外平常深藏在各地的「地下蓄水槽」也啟動,成為地區緊急供水處。

平常隨撥隨通的手機,此時日本人早已知道只要互相撥至「緊急留言系統」,留言或留簡訊告知自己的「所在與安否狀態」即可。留言後,親友撥欲聯絡的手機號碼,就可清楚聽到留言內容與留言時間,不會因持續不斷地互相找來找去,造成更廣泛的電話不通。

NHK也不斷廣播,請沿途民眾儘量避免上路,以減少可能的二次災害;而對於必須步行回家的民眾,則請沿途居民,提供必要的飲水等與開放自家洗手間等協助。更有超市免費提供物資給災民,而非藉機發災難財。

記憶中的洛杉磯地震、卡翠納風災、海地地震時,看到的是趁火打劫商家或是瘋狂搶奪物資的景象。如果說,最困苦的時候,最容易看出一個人或一個國家的真正價值,那麼日本應該是世界的風範之一。

日本政府與人民的嚴謹與效率,令人佩服。在在都讓人覺得:這個國度的人民所繳的稅金,實在繳得真有意義!